Interver forユニ・チャーム株式会社 様

  • 事業内容

    ベビーケア関連製品、フェミニンケア関連製品、
    ウェルネスケア関連製品、Kireiケア関連製品、
    ペットケア関連製品、食品包材等の販売

  • 社員数

    グループ合計 16,308名(2021年12月)

  • 導入時期

    2019年4月

  • URL

    https://www.unicharm.co.jp/ja/home.html

01.業務改革部の役割について

業務改革部では、グローバルな視点で働き方の最大化を目指し、単なるデジタル化にとどまらず業務自体を見直そうとしています。
我々の活動の根幹を支える価値観は、各々が学び続け、学び合い、現場と伴走することです。最後までやりきることを徹底し、社内から最も信頼され、必要となる組織を目指して日々取り組んでいます。「共振の経営」を推進することも私たちのミッションです。
プロジェクトは途中で止まったり、進まなかったりします。各部門に役割を与えても完走できないことがあるので、私たち業務改革部は完走するところまでをお手伝いしています。

02.部門の壁を乗り越えて仕事をするという考えがTableau導入のきっかけの一つ

会社の方向性や考え方の中に、全社員が部門の壁を乗り越えて仕事をするという考えがあります。創造性を持って革新するには、一つの部門だけではなく他部門と一緒になって動く必要があります。例えば、営業部門であればマーケティング部門と話をしたり、モノが届かないなどの問題なら物流部門と話をします。同じ会社なのだから壁を作ってはいけないのです。
この考え方が、Tableauの導入を後押ししました。
従来は、営業部門であれば販売を管理するシステム、マーケティング部門であれば市場調査データを分析するシステムなど、各々が独立したシステムを使用していました。
独立したシステムを使用していると、営業部門に「シェアはどうなっているの?」とか、マーケティング部門に「市場はどうなっている?」とか、他部門の人間とのやり取りが発生します。 そこで、誰でも見ればわかるシステムを作ろうという発想が生まれました。営業・マーケティング・共存部門、みんなが確認できるシステムです。
これまで全社で共有する情報といえば全社売上くらいで、商品に関して「みんなで同じ指標を見よう」というシステムはなかった 。それを作りたかったのです。
「どの部門も同じシステムを使っていきましょう」という社内への発信は、私たち業務改革部から行いました。

03.BIツールで何度も失敗し、部門の接着剤となるシステムとしてたどり着いたTableau

例えば、売上が計画通りにいかない要因は色々あります。取扱店舗数、棚の位置、フェイス数、価格、競合、認知など何が要因となっているのかを因数分解していく作業が必要です。それぞれは、バラバラに存在していて、手作業でまとめていました。
Tableauを導入する前は、「ブランド」という言葉一つとっても部門ごとに範囲や細かさの認識が異なっていました。「カテゴリ分け」をするときも大変でした。生理用品なら生理用ナプキンなのか、軽失禁なのか、タンポンなのかでカテゴリ分け出来ますが、真因の探求には、「吸収量」、「パッケージ容量」など細かい属性分けが必要です。また、小売業様からいただくデータの中にそのキーワードが使われているとは限らないので、データをまとめるのに苦労していました。
これらの課題を解決する仕組みとして定着したのがTableauです。各部門間で統一したデータをTableauで見ることが可能になり、部門間の接着剤となるシステムの中心にTableauが存在します。

04.慣れ親しんだやり方から
変わっていくことへの拒否反応は?

導入当初は確かに多くの反対意見が挙がりました。Tableauを利用せず、自分たちで手を動かして作ったデータを見て気付き、「自分で頑張って作ったからわかったのだ」と言う人もいました。

05.業務定着に向けた具体的な取り組みは?

始めの第一歩は、すでに業務に定着している帳票から順にTableauに差し替えていきました。ご提案いただいた方々のお力に加え、特にユーザーに対して社内メールで自動的に最新情報が届くことで、本当に違和感なく受け入れられました。
本部長をはじめ、上層部の方に納得していただいたところも大きかったですね。部門への説明会を開き、どのように利用していくのかデモンストレーションを実施し、社内の会議体でもTableauダッシュボードを使うようにお願いしました。
もう一つ、「Tableauダッシュボードを使っている人を褒めてあげてください。」という風潮に持っていきました。使っている人が褒められれば、それを真似する人が出てきます。

06.今、Tableauを何部門で利用されていますか?

導入当初はマーケティング部門を中心にTableauの活用が始まりましたが、現在ではマーケティング部門・営業部門・リサーチ部門の3部門で活用が進み、営業担当者にも広がっています。また、経理部門でも活用が進んできております。
事業分野別に見ても、ウェルネスケア、ペットケア、フェミニンケア、ベビーケア、Kireiケアといった各事業で活用が進んでおります。

07.今、導入してから約4年。
使い心地や目に見える変化は?

Tableau導入で作業時間を減らすことができました。しかし、それは、あくまで手段であって、真の目的は、個人の時間の使い方を、新しいチャレンジに向けていくことです。作業で時間を費やしていたら、個人の成長は始まらないからです。
前述した通り、Tableauの導入はマーケティング部門からスタートし、営業企画部門やリサーチ部門まで順次拡大していく目標を掲げていました。ダッシュボードの活用が始まると、一部の他部門の関係者にも情報が届くようにメールで定期配信の設定などを行い、Tableau認知の普及活動を行いました。それが功を奏したのか、各本部長や部長の方からも「このレポート見たことあるよ。これがメールで飛んできているやつか。会議で使っているよ。」と言う声が聞こえてくるようになり、肌感覚として浸透してきていると感じていました。
現場からも「めちゃくちゃ楽になってきているよ」という声や、「他の部門の人たちと同じものを使っているよ」という声も多く耳にし、成果としては、上がっていると思います。
現場から業務改革部に対して「こんな情報をTableauで見ることは出来ないか」といった相談やサポート依頼が多く来るようになりました。これはTableauが浸透してきた成果だと感じています。

08.ところで、NTCにサポートをお願いした理由は?

Tableau導入時にやりたいことの整理は進めていましたが、ライセンス購入後に自分たちが自らTableauの知識を習得する余裕はありませんでした。そこで、Tableau社のパートナー企業数社と情報交換しサポートベンダーを探しました。何よりもスピード感をもって対応することが重要であると考えました。
NTCさんの選定理由は2つあります。1つ目は、Tableauダッシュボードのビジュアル化が優れていたことです。2つ目は、自分たちの手がかからないように、導入後も手厚くサポートしていただけることです。細かい作業がどうしても定期的に発生しますが、すべてNTCさんに対応していただき、とても助かっております。
現在は、別システムの導入でもお世話になっており、NTCさんとの相性も良く感じています。

09.今後に向けた課題や実現したいことは?

プロジェクト開始当初のキーワードである“部門を超えて”データを共有する仕組みは徐々に出来上がってきていると感じております。
私たちはグローバル企業ですので、グローバルで統一した視点で物事を判断したいのですが、それを実現するには各国のデータを統一する必要があります。
16か国のデータを活用しているのですが、各データは表記が揺れていたり、サイズの表記が統一されていなかったりと、取りまとめるのが大変です。それを合わせていくのが大きな課題となっておりますが、基準を統一してデータ整理を行い、閲覧できるデータの対象を増やしていきたいです。
今後も部門の接着剤となるTableauの仕組みを社内に定着させ、Tableauが会社の大きな羅針盤の一部に定着するように、NTCさんと取組みを継続していきたいです。