2021.07.19

IoT技術を駆使した「工場の平準化」の実現に向けて。

株式会社多久製作所×株式会社NTC
多久製作所とNTCの代表者が握手をしている写真
▲多久製作所飯塚様(左)とNTC佐藤(右)
多久製作所とNTCの代表者が握手をしている写真
▲多久製作所飯塚様(左)とNTC佐藤(右)

株式会社多久製作所様は、水道水、薬品などの液体、空気、ガスなどの気体、これら流体の移送に欠かせない配管を設計・製造されています。 弊社にてご支援させて頂いた、生産計画の予実管理や、LOSS0-Standardでの異常検知など、工場のIoT化を加速、さらに、生産時のムリ・ムダ・ムラを改善、「工場の平準化」の実現に向けて取り組まれています。今回は、これまでのお取り組み内容と効果、今後の展望について、担当の飯塚様にお話をお伺いしました。

▲株式会社多久製作所様ユーザーインタビュー動画

将来的に目指すのは「工場の平準化」

Q1
株式会社多久製作所様が、将来的に実現したいのは「工場の平準化」とお聞きしております。 「工場の平準化」を実現するには多くのIoT技術とノウハウが必要かと思いますが、そんな中、弊社と一緒にIoT化に取り組もうと思われたきっかけをお聞かせください。
工場IoT化の検討が始まったのは「2018年の7月」でした。当時IoT化の取り組みは、ほとんど進んでおらず、何から着手して良いか分からないような状況でした。そんな中、センサ選定からデータ収集、データ加工、データ解析、見える化など、工場のIoT化に必要な技術をワンストップで提供して頂けるNTC様とお会いし、我が社のIoT化計画を親身になって検討して頂ける企業だと確信し、NTC様と一緒にIoT化に取り組むことに致しました。
IoTに欠かせない4つの要素、LOSSØがどこからでも解決できます。

見える化で「ムリ」「ムラ」「ムダ」を把握

Q2
IoT化に着手する前の工場状況を詳しくお聞かせください。
また、何故「工場の平準化」を目指そうとされたのでしょうか?
以前は終業時に作業員が生産実績を手作業で集計し、新しい注文との兼ね合いを見ながら生産計画を日々見直しておりました。それでは生産が遅れている原因や、業務改善をしたくても、そのポイントがなかなか把握できない状況で、まずは製造設備の稼働データや生産実績データの収集に着手し、生産が計画通りに進まない原因(ムリ、ムラ、ムダ)を把握することから始める事にしました。

この、生産能力をオーバしている「ムリ」や、日によって発生する作業量のバラつきの「ムラ」や、空き時間が発生してしまう「ムダ」を把握することで、「工場の平準化」が可能になると思い、IoT化の目的と致しました。

生産設備の稼働データ、生産実績データの収集から着手し生産が計画通り進まない原因「ムリ、ムラ、ムダ」の把握を実現
「ムリ、ムラ、ムダ」が可視化

ファーストステップは溶接機の電流値収集の検証からスタート

Q3
IoT化のファーストステップとして、溶接機の電流値収集検証から始められましたが、それには何か狙いがあったのでしょうか?
工場のIoT化は我々としても初めての試みでしたので、なるべく少ない予算で実績を残し、短期間で成果が残せる電流値収集の検証から着手しました。弊社の主要設備は溶接機ですので、溶接機から電流値を収集し、解析することで、稼働状態やどんな溶接作業を実施しているのか、予測できるのではないかという仮説がありました。その際、NTC様からCONPROSYSというGateway製品をご提案頂き、こちらの製品を採用することで。データ収集から見える化までを短期間で実現できました。社内の報告会で収集した電流値の仮説検証結果を報告すると、一気にIoT化の取り組みが社内に伝わり、IoT化の加速が図れるようになりました。
CONPROSYSのVTCとHMI機能を利用し、電流値の蓄積と見える化を実現

一気に工場のIoT化が加速

Q4
電流値収集検証後、設備の稼働状態や、生産計画との予実管理など、一気に工場のIoT化が加速しましたが、社内での反響はいかがでしたでしょうか?
本社や別の拠点から、社内ネットワークを通して埼玉SUS工場の設備稼働や、生産の予実管理ができるようになったことが評価され、次の年には全国4工場への展開を視野に入れた検討もはじまりました。

NTC様には埼玉SUS工場で作成したプログラムを他工場へも展開できるように汎用性を持たせたシステム構成の検討をお願いしており、全国の工場での見える化の実現は社内でも、大きく期待されております。

担当者男性の顔
見える化システムの構築
設備別生産予実、設備別進捗、生産予実
加工残時間バルーン

LOSS0-Standardで溶接品質の異常検知の検証開始

Q5
今年度から新たなIoT化の試みとして当社のIoT製品LOSS0-Standardを使った溶接品質の異常検知を開始されますが、どのような事を期待されていますでしょうか?
IoT化を始めた当初から、品質の異常検知は取り組みたいテーマでした。ですが、検証するだけのデータが無かった為、これまで実施できませんでした。しかし、見える化を実現したことで、溶接作業時の電流値データを約2年分蓄積しましたので、そのデータをNTC様のLOSS0-Standardで解析し、溶接品質の異常、正常を判断する仕組みを検証しようとしています。

LOSS0-Standardには目視検査では見落としがちな異常の検出や、異常発生時の動画撮影機能がありますので、操作手順を熟知していない作業員が起こしたトラブルの原因究明に活用するなど、溶接工程での不良品発生を未然に防ぎ、自工程完結の向上を期待しております。

LOSS0 異常検知とLOSS0Web画面
トラブルの発見事例と、期待できる効果

最後に今後の計画をお聞かせください

担当者男性の顔
今年度からLOSS0-Standardを使った異常検知の検証を行いますが、これまでの他の検証と同様に成果が残せれば、対象設備を増やし横展開を図っていきたいと考えております。また、兼ねてからの目標である「工場の平準化」にも取り組みたいと考えております。「工場の平準化」の実現では、高度な解析と業務自動化が可能なLOSS0-Professionalの提案をNTC様から頂いております。

工場の平準化には、まだまだ課題は沢山ありますが、NTC様のこれまでのノウハウや技術があれば実現可能であると期待しております。